AI翻訳は、同じ原文でも前後の文脈や入力方法によって訳語が変わることがあります。短い文章では自然でも、100ページのマニュアルや複数ファイルの資料では、表記揺れが目立ちやすくなります。
なぜ翻訳前に用語ルールを決めるのか
ポストエディットで毎回同じ用語を直すより、最初にルールを決めておくほうが効率的です。特に製品名、機能名、部品名、警告表現、UI名は、読者の理解と社内管理に影響します。
決めるべき項目
固定訳語
製品名、部品名、材料名、部署名など、必ず同じ訳語にする語を決めます。
禁止訳語
過去に誤解を招いた訳語、現地で使わない表現、競合製品名に近い表現を避けます。
略語・単位
略語を訳すか残すか、単位を変換するか原文通りにするかを決めます。
文体
社内確認用、顧客提出用、公開Web用、マニュアル用で文体の硬さを変えます。
避けたい運用
- 担当者ごとに別々のAI翻訳結果を使う
- 旧版訳文とAI訳文を照合しない
- 固有名詞や型番をAI任せにする
- 社外提出文書なのにライトチェックだけで済ませる
機密情報の扱いも先に決める
AIサービスへ入力してよい文書と、入力してはいけない文書を区別します。未発表製品、顧客名、契約条件、研究データ、図面、SDS原稿などは、社内規定や顧客契約を確認してから扱うべきです。
おすすめの進め方
- 既存訳文・用語集・社内ルールを集める
- 固定訳語と禁止訳語を決める
- AI訳文を作成する範囲と人手翻訳にする範囲を分ける
- 原文照合を含むポストエディットを行う
- 修正済み訳文を次回の用語資産として残す