マニュアル翻訳の目的は、文章を別の言語に置き換えることではなく、読み手が正しく理解し、正しく操作できる状態にすることです。中国語が自然でも、画面上のボタン名と本文が一致していなければ、操作ミスにつながります。
UI表記は画面と合わせる
「設定」「保存」「登録」「確認」「取消」などの短いUI語は、文脈によって訳し分けが必要です。ソフトウェアや装置画面がすでに中国語化されている場合は、画面表示を優先します。未翻訳の場合は、今後のUI翻訳にも使える表記ルールを決めておくと便利です。
警告文は弱めない
禁止
「〜しないでください」「禁止します」は、丁寧さよりも禁止の明確さを優先します。
危険
感電、火災、けが、化学物質ばく露などは、原因と結果の関係を省略しすぎないようにします。
条件
「〜する前に」「〜した場合」「〜しない限り」などは、手順の前後関係を変えないことが大切です。
責任範囲
保証、免責、保守範囲に関わる文章は、営業文のように柔らかくしすぎないよう確認します。
手順表現は短く、同じ形にする
作業手順では、文を長くしすぎないことが重要です。同じ操作は同じ訳し方にし、「ボタンを押す」「ネジを締める」「電源を切る」「画面を確認する」などの表現を統一します。番号付き手順では、図番号、表番号、参照先の一致も確認します。
用語統一は後工程のコストを下げる
部品名、機能名、材料名、画面名が文書ごとに変わると、読者だけでなく、社内の改訂作業も難しくなります。用語集を作ってから翻訳・AI校正を行うと、次回以降の改訂コストを抑えやすくなります。
依頼時にあるとよい資料
- 原文マニュアルのWord、Excel、InDesign、PDFなど
- 画面キャプチャ、UI一覧、既存中国語画面
- 旧版マニュアル、既存訳文、用語集
- 対象読者:中国大陸、台湾、社内技術者、販売代理店など