AI翻訳は、社内確認や大意把握では非常に便利です。一方で、製造業のマニュアル、仕様書、SDS、技術文献のように、誤訳がクレームや安全リスクにつながる文書では、そのまま公開・提出する前に確認が必要です。
AI訳文の主なリスク
AI訳文の難しいところは、間違っていても文章として自然に見えることです。読みにくい機械翻訳なら違和感に気づきやすいのですが、流暢な誤訳は見逃されやすくなります。
- 専門用語が一般語として訳される
- 否定、条件、範囲が変わる
- 原文の一部が抜ける
- 同じ部品名や機能名が文中で揺れる
- 数値、単位、型番の見落としが残る
技術文書で起きやすい問題
マニュアルや仕様書では、用語の統一と読み手の行動が重要です。たとえば、同じボタン名がページごとに違う訳語になると、読者は実際の画面や装置と照合できなくなります。SDSでは、用語、数値、危険有害性情報の表現が特に重要です。
AI翻訳は前後関係をある程度反映しますが、貴社独自の製品名、過去訳文、顧客指定用語までは自動で判断できません。過去の用語集や既存訳文を反映するには、人による確認が必要です。
公開前に確認すべきポイント
訳文が自然でも、原文の意味が残っているかを確認します。
製品名、部品名、工程名、UI表記の揺れを確認します。
桁、単位、記号、型番、参照番号を確認します。
社内確認用か、顧客提出・公開用かで必要な校正レベルが変わります。
ポストエディットで済む場合と、再翻訳が必要な場合
AI訳文の品質が比較的高く、原文との対応が保たれている場合は、ポストエディットで効率よく仕上げられます。しかし、訳抜けが多い、文意が大きくずれている、専門用語が根本的に合っていない場合は、修正よりも人手翻訳に近い対応が必要です。
相談時に必要な資料
AI翻訳の校正をご相談いただく場合は、原文とAI訳文の両方をお送りください。用語集、過去訳文、使用目的、対象読者、希望納期も分かると、ライトPEでよいか、フルPEが必要かを判断しやすくなります。