中国向けに製品を販売・輸出する場合、取扱説明書、操作マニュアル、仕様書、作業手順書、UI表示などの中国語化が必要になります。単に日本語を中国語へ置き換えるだけでは、現場で読みにくい、問い合わせが増える、誤操作につながる、といった問題が起きることがあります。
特に製造業の資料では、部品名、工程名、警告・注意、数値条件、図表番号、ソフトウェア画面の名称が互いに関連しています。翻訳会社へ依頼する際は、これらを一つの文書体系として確認できるかどうかが重要です。
製造業マニュアル翻訳が難しい理由
製造業のマニュアルは、読み物ではなく「作業するための文書」です。文章として自然でも、部品名がずれていたり、操作順序の条件が曖昧だったりすると、読み手は正しく判断できません。
- 製品名・部品名・機能名が複数ページにまたがって出てくる
- 本文、図、表、UI、ラベル、警告文が相互に参照される
- 「必ず」「してはいけない」「注意」などの強さが安全性に関わる
- 改訂版では、既存訳文と新規変更箇所を分けて扱う必要がある
- 簡体字・繁体字、対象地域、社内用語の指定が品質に影響する
確認すべき7つのポイント
危険、警告、注意、禁止、必須などの表現は、意味の強さを保つ必要があります。柔らかい中国語に変わると、安全上の意図が伝わりにくくなります。
同じ部品や機能がページごとに別の訳語になると、読者が同じ対象だと判断できません。用語集、既存訳文、製品カタログを活用します。
ボタン名、メニュー名、エラー表示、設定項目は、ソフトウェア画面とマニュアル本文を一致させる必要があります。
寸法、温度、圧力、時間、電圧、範囲指定などは、自然な訳文よりも正確な照合が重要です。記号や小数点も確認対象です。
「図1を参照」「下表の条件」などの参照先がずれると、読者が誤った箇所を確認する可能性があります。
顧客向け、代理店向け、工場作業者向け、社内技術者向けでは、適した文体や説明の細かさが変わります。
改訂版では、変更箇所だけを翻訳するのか、既存訳文も含めて整えるのかを最初に決めると、費用と品質を管理しやすくなります。
AI翻訳を使う場合は、原文照合が欠かせません
AI翻訳は、マニュアルの下訳作成や大意把握には便利です。しかし、製造業の資料では、自然に見える訳文の中に、条件の取り違え、訳抜け、用語の揺れ、警告表現の弱まりが残ることがあります。
顧客配布用、製品同梱用、公開用のマニュアルでは、AI訳文をそのまま使うのではなく、原文と照合して確認するフルPEをおすすめします。社内確認用であれば、重要箇所を中心に見るライトPEが選択肢になる場合もあります。
例:AI翻訳では「電源を切ってから作業してください」が自然に訳されていても、「必ず」「完全に」「主電源」などの条件が抜けることがあります。意味が大きく変わらないように見えても、現場では重要な差になります。
依頼前に準備するとよい資料
正確な見積もりと品質確認のため、可能な範囲で以下の資料をご用意ください。すべて揃っていなくてもご相談いただけます。
- 翻訳対象の原稿:Word、Excel、PowerPoint、PDF、HTML、InDesignなど
- 過去の中国語訳、既存マニュアル、旧版資料
- 用語集、製品名・部品名リスト、社内表記ルール
- UI画面、ソフトウェア文字列、製品カタログ
- 対象地域:中国大陸、台湾、香港など
- 用途:顧客配布、製品同梱、社内確認、代理店教育など
- 希望納期、分納希望、改訂履歴の有無
相談の進め方
楽訳では、オンライン見積もりを中心に対応しています。原稿、用途、対象読者、既存訳文の有無を確認したうえで、翻訳、既存訳文の校正、AI翻訳ポストエディットのどれが適切かをご案内します。電話での個別相談は行っていませんが、資料を確認することで、より具体的で正確なご提案が可能です。